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悦ちゃんの看取り道先案内ブログ#11

2023/02/07

嚥下を担ってくれる「嚥下反射」

お世話になります。

看取り道先案内人の小林悦子です。

 

大切な人生の最終章を豊かにするために

ニュースレターをお届けいたします。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

誤嚥、摂食、咀嚼などを

連続してご案内しながら

「食べて生きる力」をお伝えしてきました。

 

摂食・嚥下の過程が

以下の5期に分けられることが

わかってきたと思います。

 

・先行期:食べ物を見つけ口腔に入れる

・準備期:食べ物を咀嚼し食塊にする

・口腔期:食塊をまとめ飲み込む準備をする

・咽頭期:食塊を咽頭に送り込み嚥下する

・食道期:嚥下した食べ物を胃に送る

 

「気をつけて食べれば良い」

 

と言う方がいますが

「嚥下反射」とその機能が

老いや病気で低下することを知ると

簡単ではないこともわかってきます。

 

あなたがそうであるように、

ほとんどの方が口に食べ物が運ばれると

瞬間的に次への処理に入り

飲み込む行為につなぎます。

 

薬を飲む時に水を喉元に溜めるなど

意識的に飲む行為を行うこともありますが、

普段は「嚥下反射」という

無意識下で行われている行為です。

 

生物学でいう「反射」とは

動物の整理作用のうち

特定の刺激に対する反応として

意識されることなく起こるものを指します。

 

この「嚥下反射」は食べ物を口に入れてから

嚥下するまでの咽頭期の段階で起こります。

 

食べ物は嚥下反射という機能を

使って食道へ送り込まれるため

嚥下反射は食塊が気管に入らないようにする

大変重要な機能なのです。

 

嚥下反射では喉の喉頭蓋が下がって

気管の入り口に蓋をして

気管に食塊が入らないようにします。

 

あなたがこれを読んでくださっている間にも

無意識に自分の唾液を

何回も飲み込んだことでしょう。

 

言葉で受け取ろうとすると難しい話です。

しかし、これらの全体像を理解しないと

「食べて生きる力」の正しい理解へつながりにくくなります。

 

大切な人においしい物を食べて欲しいという

家族の想いは永遠です。

施設利用者の楽しみNO1も食べることです。

 

しかし、老いや病気によって

上手に食べられなくなった方に

 

「昔好きだったから」と

 

硬い煎餅を差し入れて下さる家族にも

わかって頂かなければなりません。

 

普通の食事を普通に召し上がる方の話です。

 

そうは言っても、硬い煎餅の処理をすることが

難しくなっていました。

煎餅を噛み砕いて処理している間に

唾液だけが喉に流れ込んでいました。

誤嚥していたのです。

 

「私、お煎餅を食べると咳が出るのよ」

 

と聞きつけ内視鏡で評価してみました。

すると、煎餅を食べる行為が

「誤嚥する状況」を作っていることがわかったのです。

 

まさか彼女が・・・と皆が驚く事態でした。

 

現状を理解できた息子さんのお土産は

お母さんが楽に食べられる羊羹に変わりました。

 

知って得する。

食べて生きる力を支えていくためには

専門職だけがわかっていてもいけません。

 

利用者の家族たちが理解できるように

勉強会を重ねることをお勧めします。

 

自分ごととして考えていただきながら

上手に食べられなくなる現実を

受け止められる力を支える必要があるのです。

 

これも看取りへの道先案内です。

皆さんも楽しく「知って得する」機会を

持ってみてください。

 

今回もニュースレターを
最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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