悦ちゃんの看取り道先案内ブログ#3
結婚と看取り
お世話になります。
看取り道先案内人の小林悦子です。
大切な人生の最終章を豊かにするために
ニュースレターをお届けいたします。
どうぞよろしくお願いいたします。
先日、老人ホームで働く看護職員さんと
「看取り介護」について話をしました。
彼女は、一生懸命生きているお年寄りに対して
看取りの準備は「失礼」だと考えています。
看護職員が反対するため
看取り介護の話が進められない老人ホームでした。
近くご結婚するという情報から、
交際、同棲、結婚などについて話をしてみました。
彼女が考える約束事として
「付き合う」は、当人の問題だから
いつでも別れられるそうです。
もちろん永遠の約束ではありません。
「同棲」は、家族たちが絡むから
別れる時も説明がいるそうです。
その時点の安心はありますが
いつでも終えられる約束です。
「結婚」は、人生最後までの約束だから
安易には別れられないそうです。
社会を巻き込んでいる分
その継続には責任がある約束だと言います。
そんな約束事を「施設入所」で考えてみました。
彼女は、私の施設は同棲かな、と言います。
施設で暮らせる健康状態の間は「入所生活」が継続できます。
治療が必要な病気でなくても
「ご飯が食べられなくなる」という老化による変化によって
入所生活の継続は困難になります。
始めから「結婚」のように
人生最後までとは考えられていないというのです。
彼女はため息をつくように
「悲しいですね」と呟きました。
生活が継続できない所では
安心して年老いていけないことを感じたようです。
高齢者が施設で生き続けるためには
死を見据えた計画(準備)が必要です。
それは、「死ぬための準備」ではなく
そこで「生ききるための準備」なのです。
施設の看護職員として
開花したかのような笑顔で
「皆で話し合ってみます」と言ってくれました。
私は看取り道先案内人として
この施設を、彼女たちをサポートしていきます。